こんばんは~
つつです。
今日は昨日に引き続き、非正規雇用について書いていこうと思います。
昨日の記事の続きなので、まだ見ていない人はそちらを先に見てください。
・私立中学校の先生も非正規雇用が多い様ですね。
今回の記事を書く発端のニュースでは、
報道では6年間で120人と言っていましたが、橘学苑側の発表では63人のようです。
どちらが正しいのかは分かりませんが。
学校側がウソをつくメリットが無いので、63人の方が正しいとします。
この記事では63人を正として計算してみます。
また、ニュースでは現役講師(常勤講師?)や保護者からの怒号が飛び交う映像が流れています。
6年間で63人なら、1年間で10.5人辞めている。
調べたところ、橘学苑の非正規職員は45~50人程度のようです。
非正規社員が年間1/5は辞めている計算になります。
この数字が多いか少ないかですが、パッと聞いた感じすごく多く感じますが実際はそうではありません。
5年を満期で考えたら、妥当な線では無いでしょうか。
5年以上働けないルールがあるから、
毎年1/5は変わらないといけないと言うことになります。
逆に言えば、平均で5年近くは非正規雇用として雇っている計算になるので
十分長いと言えなくもないですね。
ちなみに工場では・・・
私の会社(工場)にいる派遣さんの平均就業期間は、1~2年程度です。
1人か2人、10年以上やっている人もいますが、基本的には1年程度で辞めていきます。
実は工場の中ではコレでも派遣さんが長く続く方です。
常勤講師とは
常勤講師について調べてみました。
常勤講師は正規教員と同じくフルタイム(週約40時間)働き、学級担任もできる。非常勤講師は「直接担当する授業時間だけ」「週20時間」といった限られた時間の指導を担う。いずれも、非正規の身分で教壇に立ちながら正規採用を目指す人が多い。月給は愛知県の場合、大卒22歳で正規採用された場合、初任給が19万9700円。45歳では38万3800円、60歳は41万9200円。一方、常勤講師は初任給が19万5900円で、途切れず働き続けられたとしても37歳で33万4100円となった後は頭打ちになる。非常勤講師は時給2877円。
(2010-12-08 朝日新聞 夕刊 1社会)
2010年の記事なので、ずっと働ける様に書いてありますが、
現在は5年縛りがあるので、22歳で働き始めたら、27歳までですね。
2010年の記事でさえ待遇が悪いと書いてあるのに、法律が変わってさらに厳しい現実が待ち受けているようです。
まだ22歳なら良いですが、40歳まで常勤講師をやっていた人は、5年縛りにより45歳で職を失うことになります。
常勤講師から教諭になるには・・・
ここから抜け出して、専任講師、教諭になる為には、昨日の記事で私が書いた様なことをしなければいけません。
「今の仕事に問題が無いから」だけでは正社員としては雇いません。
上司に、会社に、組織に、「この人は5年10年後に成長し組織を背負って立つ存在になれそうだ」と思わせる事が出来ないとダメなのです。
昨日の記事より引用
ただ、そんなことが出来るのはほんの一握りであることも事実です。
常勤講師として37歳で33万4100円なら十分じゃないですか。
なぜ政府はこのささやかな権利さえ奪ってしまったのでしょうか。
・橘学苑について思うこと
特に私立中学、高校の(非)常勤講師への待遇は
より一層シビアになっていると考えます。
私立校なので利益を出さなければいけません。
公立校とは違って
能力の無い先生でも真面目だからと言う理由だけで使い続ける訳にはいかないのです。
5年間、ただ漫然と仕事をこなしただけの人を雇い続ける事は、
学校にとって死活問題になってしまいます。
当然、人を選別しなければいけません。
学校の一番の財産は、校舎でも体育館でも実験施設でもありません。
それは、教職員です。
教職員が子供のためを思って考えたカリキュラムです。
その能力が劣っている人を教員として雇い続ける訳にはいかないのです。
また、それが生徒のためでもあるのです。
そして、それを保護者も望んでいるハズです。
違いますか?
私立中学まで行って能力の無い先生に見てもらいたいですか?
5年間も働いて芽が出ない人に子供を預けたいですか?
正直、私は今回の橘学苑の件で保護者からのクレームの音声が流れていましたが、ちょっと違和感を覚えます。
叫んでいた保護者は、ただまわりに流されているだけに見えます。
子供の事ダケを考えたら
「ダメな教師は辞めさせろ!」
です。
保護者説明会で叫んでいた保護者は、このようなことも叫んでいるのではないでしょうか。
自分がダブルスタンダードになっているとも気づかずに。
・常勤講師の雇用について
常勤講師側は「雇い止め」にあった。
学校側は「厚労省の調査も受けており、雇い止めでは無かった。」としています。
この言い分が互いに納得して折り合うことはないでしょう。
私の会社の派遣さんは、
正規雇用になることを望んでいる人はあまりいません。
責任よりも、気楽に働きたいと考えている人が多いです。
だから、自分から正社員になりたい!と言ってくる人はホトンドいません。
ですが、私立中学の常勤講師は違います。
ほとんど全員が正規雇用として専任講師や教諭になることを目指しています。
そのために必死の努力もされていることでしょう。
その努力をする事が、
先生自身が成長し本当の意味での人にものを教える事が出来る存在になる為の儀式だと言えるのかもしれません。
そう言った意味では、常勤講師=非正規雇用も必要なのかもしれません。
講師のセイフティーネットが必要だ
ただ、やはりどうしても正規雇用に至らなかった人も出てきます。
そういった人たちの受け皿も必要では無いでしょうか。
たとえば、
「国語だけ」を教える講師。
「理科だけ」を教える講師。
「数学だけ」を教える講師。
のような感じで専門的に教えるとか、
今後は老人が増えるので、
老人向けに何かを教えるか・・・
うーん、あんまり良い案が思いつかないですね。
やっぱり、非正規雇用ロンダリングをするしかないのかもしれませんね・・・
少なくとも、学校の先生になる道を選ぶ時点で、将来の待遇はこうなっていると知っている必要があります。
知らずにその道に踏み入れると大変な目に遭います。
真の先生とは、本来どの様な者か
「先生のプロフェッショナルになりたい。」
今よりも未来をより良いものに変えるために、
限りない努力を続ける事が出来る人ダケが、成功できる厳しい世界だと考えます。
そんな「先生のプロフェッショナル」になることが出来た先生は、
生徒からも
保護者からも、
当然学校からも、
そして社会からも
慕われ、尊敬され、必要とされる存在になれる素晴らしい職業だと言える。
また、そうなることを目指して努力している先生方がいることを世間は理解しなければいけません。
子供達を教え導いてくれる素晴らしい先生には、
多額の報酬が支払われる世の中になることを祈ります。
おまけ・・・
私立中学の先生は、
公務員よりも、声優に近い職業だと思った方が良いです。
安定ではなくて、実力でのし上がる世界ですよ。
学校の先生を目指す人はお忘れ無く・・・
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